いわみ(@iwamishinji)です。
ぼくは20代のときにブラック企業に勤めていて、絵に描いたような社畜生活を送っていました。
労働環境はこんな感じ。
- 休みは週に1日(忙しい時期は休めない)
- 残業は毎日平均で4~5時間
- 残業代が出ない(!!)
- 理不尽な上司・役員
年中無休の人材サービスの会社の総合職だったので、土日は関係なし。
年度末の繁忙期には月に1~2日しか休めないこともザラ。週の半分は終電に乗って帰っていました。
よく体を壊さなかったなと、今では思います。
もういい加減無理だな。この会社を辞めよう。
と思ったときには30歳を過ぎていました。
悩んだ末に、会社を辞めて実家に出戻り。
ぼくは楽器関係の専門学校を卒業後、東京で1人暮らししながらバンド活動をしていました。28歳の時に、見切りをつけて就職。その会社が、ど真ん中のブラック企業でした。
詳細は前のブログ記事に書きましたが、ひどい労働環境でした。
にもかかわらず、ぼくはギリギリまで「会社を辞める」という発想にならなかった。
なぜか当時は「どこの会社で働いても同じようなものだから、我慢しなくてはならない」という謎の思い込みがあって、退職も転職もしなかった(できなかった)のです。
しかし30歳をすぎて「さすがにこのままではヤバい」と気づき(遅いですね)重い腰をあげて転職活動をすることにしました。
本を読んだり、ネットで検索したりして転職情報を集めた結果、ぼくが達した結論は「実家へ一時的に避難する」ことでした。
「ブラック企業で働きながら転職活動」なんて無理!
仕事をしながら転職活動をして、内定してから会社に退職届をだす、というのがオーソドックスな転職方法というのはわかっています。
しかし、それにはある程度の時間的余裕が必要です。
当時のぼくにそんな余裕はまったくありませんでした。
休みが取れたら昼過ぎまで起きれなかったし、起きた後も何かをする気になれませんでした。(仕事で疲れすぎていたので)
そんな状態で、働きながら転職活動なんてできるわけがありません。
だから転職活動をするなら、今の会社をやめてからじっくり選びたい。
しかし、それには金銭的な問題があります。(無収入の期間が発生してしまうから)
都内の1人暮らしだと、家賃と生活費だけでも20万円近く必要です。
貯蓄を切り崩しながらの転職活動だと、やはり焦りが出ます。
「もうお金も残り少ないし、あまり環境は良くなさそうだけど、この会社でいいや」となってしまうことは目に見えています。
そこでぼくは「いったん実家に戻る」という選択肢をとることにしました。
「そもそも何のために転職するのか?」をハッキリさせる
ぼくが転職を決めた理由は「負のスパイラルに入ってしまった自分の人生を好転させるため」です。
そのために条件はしっかり選びたいです。焦って決めた就職先が今と同じような会社だったら意味がありません。(その経験もあります)
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実家に戻ってから会社をやめるメリット
意を決して実家に戻りました。
会社をやめてから実家に戻ったのではなく、「実家への引越しを済ませてから退職届を提出」することにしました。
やめるより先に実家に戻った理由はふたつ。
ひとつはすぐに転職活動をするためです。退職してから引越しをすると、そこで一回落ち着いてしまいそうな気がしました。働きながら生活拠点だけを移して、気持ちを段階的に切り替えていきました(今考えるとはじめての転職は相当の決意を持っていたことがわかります)
もうひとつの理由は、気持ち的に「会社をやめるぞ」という踏ん切りをつけるためでした。もうやめるしかないという状態に自分を持っていきたかったのです。
実家から勤務先まで通えない距離ではなかったのが幸運でした(埼玉から東京)。
会社には「今住んでいる部屋の契約が切れてしまい、しばらく実家から通勤します」と伝えました。(2年契約が満期になったのは事実です)
快く受け入れてくれた両親には感謝しています。
実家のメリット① 出費が劇的に減る
よく言われますが、これがいちばんの利点ですね。実家はお金が(ほとんど)かかりません。
親の持ち家だから家賃もないし、食費と光熱費も払わなくていいです。
気持ちとしていくらかは両親に払っていましたが、ひとり暮らしの費用に比べれば格段に安く済みます。
メリット② 食事が出る
1人暮らしのときは自炊もしていましたが、忙しいときは外食が増えていました。外食が続くとお金もかかるし、栄養も偏りがちになります。
実家なら親がいつも料理をしているので、それを頂くことができます。
なるべく親に頼らないようにはしていましたが、それでも平日の夕食を自分で用意しなくていいだけでも非常に楽です。
金銭面だけでなく、食事をつくる時間が浮くことも大きなメリットでした。
メリット③ 生活がシンプルになる
ぼくは荷物(家電など)をほとんど処分して実家に戻ったので、家に娯楽と呼べるものは何もないような状態でした。
自分の部屋にはテレビもインターネットもありませんでした。
あるのは本とネット回線なしのノートPCだけ。(当時はガラケーでした)
家に帰ってきたら本を読んで寝るだけの毎日がしばらく続きました。
おかげでたくさん本を読めたし、睡眠時間も増えました。考えごともたくさんできました。
生活がシンプルになると、頭の中もシンプルになるものだと初めてぼくは知りました。
メリット④ やるべきことに集中できる
実家にいると転職活動が捗ります。実家はやはり気まずいので「早くここから出たい」わけです。
だから本気度が違います。
今考えると「僧侶のような暮らしをしていたな」と思います。
実家のデメリット
もちろん実家は楽なことばかりではありません。自由気ままな一人暮らしから一転、親とはいえ他人と同居するわけですから、不愉快なこともあります。
- 近所の視線が気まずい
- 親に対して後ろめたい、肩身が狭い
- 友達に言いずらい
- することがない、暇。
- 自由がない
などですね。僕が感じたのは「精神的な不自由さ」というか気まずさが最もいやでしたね。
気にしなければいいのかもしれないけど、どうしたって気まずいものは気まずいです。
「転職先が決まるまで」という期限があるから我慢していましたが、ずっと居候するのは精神的に相当きついと思います。ブラック企業とは違った意味で。
転職成功→引っ越し、さらに結婚まで
なにはともあれ、そうやって時間をかけてぼくは新しい転職先をみつけることができました。
今度の職場は残業のほとんどない会社でした。給料は安かったですけど。
転職してほどなく、職場近くのアパートを借りて一人暮らしを再開しました。
詳しくはまた書きますが、それからいろんなことが好転しました。彼女ができて結婚して子供が生まれました。
それでハッピーエンド、ということではなくて、ぼくの中では「マイナスだった人生がゼロに戻り、そしてようやくプラスに転じた」という感覚です。
おわりに

もし、あなたが以前のぼくと似た環境で悩んでいるなら(そして出戻ることが可能であるなら)「いったん実家にもどる」のはアリな選択肢です。
親に心配かけたくないとか、威勢よく出ていった手前恥ずかしいとか、
何かと帰りづらい事情はあるのはよく理解できます。ぼくも全く同じでしたから。
でも、よく考えてみてください。
人生は長いです。30歳でも残された職業人生は30~40年以上はあります。
この先を今より楽しく生きていくための、いっときの辛抱だと思えばいいんです。すぐに次のステップに進めますから。これはぼくが身をもって学んだことです。
実家に戻るといろいろ苦労もありますが、ブラック企業から抜け出して体勢を立て直すことために、一時避難できる場所があれば活用した方がいいとぼくは思います。
幸運を祈ります。