MBTIをご存じでしょうか。
「タイプ論」というユングの考え方をベースに、米国人によって開発され、世界中で使われている性格分類法です。
厳密にいうとMBTIの主な目的は分類することではないのですが、それでも多くの性格分類方の元祖のような位置に今でも立っている手法だと思います。
このページでは、以下のような内容を書いています。
- MBTIって何?「MBTIの基礎知識」
- どんな診断?
- 4つの指標と16の分類について
- MBTIの真の目的
これらについて、なるべく分かりやすく解説します。
もくじ
MBTIとは?
MBTIは、性格分類法の名称です。
Myers-Briggs-Type-Indicator (マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インジケーター)の略で、キャサリン・ブリッグス(母) とイザベル・マイヤーズ(娘)という米国人親子によって開発された、質問紙法式の性格検査です。
今でも専門に扱っている組織があるようです。
と思われるかもしれませんが、そこいらの性格テストとは一味違います。
というより、「よくあるテスト」も元をたどれば、ほぼ例外なくMBTIを参考に作られていると言っても過言ではないくらい、性格診断テストの元祖みたいな存在なのです。
ユングの「タイプ論」がベース
MBTIは「タイプ論」という考え方がベースになっています。
その「タイプ」です。
「タイプ」を性格を表すコトバとして使ったのは、ユングが始まりのようです。
ユングとは
1921年に発表された彼の代表作が「心理学的類型(Psychological Type)」でこれは別名「タイプ論」とも呼ばれています。
世界中で最も利用されている性格診断テスト!
MBTIのサイトによれば、30以上の言語に翻訳され、50以上の国で使われているそうです。
類似のサイトもたくさんあって、少しずつ違いますが、どれもMBTIをに作られていると言って良さそうです。
類似MBTIの中でも代表的なものが「16Personalities性格診断」でしょう。
検索するとトップに表示されるので、これがMBTIだと思っている人も多いようですが、 「16Personalities」もMBTIをベースにして作られたテストです。
「簡易版MBTI」と呼べるかもしれません。
関連:「16Personalities」についてのページ
【16パーソナリティー】MBTIをベースにした性格診断
続きを見る
MBTIの「4つの構成要素」
MBTIでは、人間の性格を4つの構成要素で考えます。
要素のそれぞれに「極」があり、その方向によって16通りの性格タイプに分類します。
タイプは、INTJやESFJなど、4文字の組み合わせによって示されます。
4文字は、それぞれの要素がどちらに向いているかを表しています。
たとえば、最初の一文字目は「エネルギーの方向」をあわらしていて、I(内向)かE(外向)か、といったふうにです。
MBTIにおける4要素と、2つの極
(E)外向 | エネルギーの方向 | 内向(I) |
(S)感覚 | ものの見方 | 直観(N) |
(T)思考 | 判断の仕方 | 感情(F) |
(J)判断的態度 | 外界への接し方 | 知覚的態度(P) |
「内向的」は内気や陰気を意味するのではない
話をややこしくするようですが、大切なことなので書きます。
MBTIにおける「内向」は一般的に言われるような「内向的な性格」とは意味が少し違います。
ちなみに辞書で「内向」を調べるとこんな感じ。
心のはたらきが自分の内部に向かうこと。「内向しがちな性格」「内向的な人」
コトバンク
類語には「陰気」「暗い」「ネクラ」なんて言葉が出てきました。
誤解を恐れずにいうと、これは「MBTIの曲解」です。
元々の「内向」はマイナスなイメージを持った言葉ではありません。
MBTIにおける「内向」は心のエネルギー源と、その方向を表しています。
つまり、活動のエネルギーを「自分の内側から補給している」タイプの人。
対して「外向」の人はエネルギーを「外部から補給する」タイプの人です。
MBTIの考え方
例として「外向」と「内向」のMBTIにおける考え方が一般的なものとは少し違うことを紹介しました。
MBTIは、より深いところで人の心の特徴を捉えようとしている、かなり複雑で奥の深いものだと思います。
MBTI自体がひとつの心理学の分野といえるほど、学問的な要素を多く含んでいます。
実際、関連書籍も多数あります。
MBTIの「真の目的」
ぼくの個人的な見解ですが、MBTIの「真の目的」は人間を理解し、好きになることだと思っています。
自分の性格、そして他人のことも知り、人の心を学んでいくことで「いろんなタイプの人がいる」ことが分かります。
それによって、今までは理解できなかったり嫌いだった人のことでも、「この人のこういう部分は、こういう特性によるものだったのか」とか、「今までは気がつかなかったけど、この人にもこういう良い部分があるんだ」と気づけたりできます。
今までと違う考え方ができたら、もうそれでこのテストの役割はほぼ果たしたと言えるのではないかと思っています。
(究極的には)人間の多様さを受け入れて好きになることができたら、パターンや特徴の小難しい部分なんて「知らなくてオッケー」だと思います。
ペルソナに「2面性」はある?
最近、ネット上で「2面性ペルソナ診断」という言葉をよく目にします。
「16Personalities」と同じような、MBTIを元にした性格診断なのかもしれません。
(検索してもそのようなサイトは見つかりませんでしたが)
ただ、「ペルソナの2面性」というのは前提が矛盾しているような気がします。
なぜなら、ペルソナ(仮面の意味もある)というのは、もともとが「いくつもある中の”外側の顔”」というような意味です。
最初から2面(それどころか「多面」)を含んでいる言葉なので、「2面性ペルソナ」という語句には矛盾があります。
しかし、言いたいことは分かるというか、それを簡単に診断できたら一度はやってみたくなる気持ちになるのではないでしょうか。
たとえば「表面は外向的な指揮官タイプだけど、内面は内向的な論理学者タイプ」といったような診断ができたら、ゲームとして(インスタントな性格診断)としては楽しそうです。
まとめ
アメリカなどでポピュラーな性格分類法のMBTIについて解説しました。
要点をまとめます。
- ユングの「タイプ論」をベースにアメリカ人親子が開発した
- 世界で最も利用されている性格分類テスト
- 4つの指標からなる16のタイプに分類
- 指標は目安。タイプだけですべてを説明できるわけではない(内向は消極的とは違う、など)
- MBTIの真の目的は人間を理解し、好きになること(個人的な見解)
人の心は複雑で捕らえようがなく、だからこそ面白いと思います。
MBTIを学ぶことで、今まで知らなかった人間の性格や特徴について考えるきっかけになればいいと思います。
おわります。