レビュー

【ビジネス書の要約】名著「お金2.0」はAudibleで「聴く」のがおすすめ!

 

2017年11月の発売の『お金2.0 新しい経済のルールと生き方 」をAudibleで2回聴きました。

発売当初にKindle版で購入していましたが「積ん読(買っただけで読んでない状態)」で放置。そのうち読もうと思いながら1年が経過(反省)

Audibleにもオーディオブックがあったので聴いてみました。

 

「もっと早く読んでおけばよかった!」と思ったほどの超良書でした。

発売1年後に読んでも面白いのは、「一時的な流行り本ではなかった」という証。

 

「とりあえず『お金2.0』を読んだ方がいい」と言われるような本になりそう。

 

もくじ

 お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book) 佐藤 航陽

 

目次も秀逸!

この記事をまとめるために、本の目次を一通り書き出してみたのですが、そのときに気づいたことがあります。

 

それは「目次を読むだけでアウトラインが理解できる」ということ。

 

第一章「お金の正体」から、②テクノロジー、③価値主義とは?、第4章「お金から解放される生き方」へと続きます。

章ごとの見出しも、本文を濃縮したような分かりやすいタイトルがつけられています。

抜粋してみます。

第1章 お金の正体

  • 3つのベクトルが未来の方向性を決める
  • 急激に変わるお金と経済のあり方
  • お金が社会の中心に位置づけられた資本主義
  • 経済とは「欲望のネットワーク」
  • 発展する「経済システム」の5要素
  • 経済に持続性をもたらす2つの要素
  • 経済のと脳の深い関係
  • 進化する、脳が欲する「報酬」の種類
  • 脳は飽きやすい―変化と不確実性
  • 経済と自然の根底にある同一システム

第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ

  • 今起きているのは、あらゆる仕組みの「分散化」
  • 分散化する社会とシェアリングエコノミー
  • 国家を代替するトークンエコノミーの可能性
  • トークン化する世界
  • 「自律分散」という次世代の成功モデル

第3章 価値主義とは何か?

  • 限界を露呈し始めた資本主義
  • 資本主義から価値主義へ
  • 「価値」の3分類
  • 「共感」や「感謝」などの内面的な「価値」の可視化と流通
  • 「評価経済」の落とし穴
  • ベーシックインカム普及後の「お金」
  • 「経済」は選べばいい
  • 価値主義は経済の民主化である

第4章 「お金」から解放される生き方

  • 「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ
  • 「お金」のためではなく「価値」をあげるために働く
  • 枠組みの中での競争から「枠組み自体をつくる競争」へ

第5章 加速する人類の進化

  • お金にならなかったテクノロジーに膨大なお金が流れ込む
  • 宗教と価値主義
  • 「現実」も選ぶ時代へ
  • 「お金」は単なる「道具」である

 

上に挙げた見出しは、全体の2割くらいですが、これだけで本書の言わんとしていることが何となく分かるようになっています。

「良い本は目次を読むだけで内容を理解できる」と聞いたことがありますが、まさに本書がそれですね。

 

「お金2.0」第1章 要約(ネタバレ注意)

以下に要約をまとめます。

完全なるネタバレですので、まだ読んでない方は注意してください。

あるいは要約をざっと読みとばしてから本格的に読んだほうが、頭にスッと入ってきやすいかもしれません。

未来の方向性を決める「 3つのベクトル」

本書の重要な主張が「現実は3つの異なるベクトルが併存し相互に影響を及ぼしていて、それが未来の方向性も決める」ということ。その3つとは

  • お金
  • 感情
  • テクノロジー

順に見ていきましょう。

 

お金

3つベクトルの中で最も強力なのがお金。地球上のほとんどすべての人は市場経済の影響から逃れられない。

構造は弱肉強食が大前提で、淘汰と食物連鎖を繰り返す。

(なぜか「お金の仕組み」を学校で教わることはあまりない)

感情

共感・嫉妬・憎悪・愛情。お金の次に影響力の強い要素。

一定の母集団を形成するのに役立つ。いくらお金の性質をつかんで経済的な成功を収めても、他人の感情を無視しては長続きしない。

テクノロジー

重視する人が最も少ない要素。99.9%の人はテクノロジーのことを考える必要はない。

しかしテクノロジーは大きな変化のキッカケとなる。

 

フィンテック1.0と2.0の違い

Fintech(フィンテック)とは、Fintech:finance(金融)とtechnology(技術)を組み合わせた造語。ITなど新たなテクノロジーの進化によって金融の世界が破壊的に変化するトレンドのこと。

著者は「フィンテックと一口に呼んでいるけど、実際には全く違う二つの現象がごっちゃになっている」と主張しています。

同じフィンテックでも、この本では「Fintech1.0」と「Fintech2.0」に区別。

違いは…

Fintech1.0とは

すでに存在している枠組みを、ITで限界まで効率化するタイプ。

決済、投資、融資、保険、会計など、スマートフォンやビックデータなどを用いて既存の業務の無駄を省いたり、新しいマーケティング手法を活用したりするもの。

例:ロボアドバイザー、スマホ決済、クラウドファウンディング。

Fintech2.0とは

1.0とは異なり、近代に作られた金融の枠組み自体を無視して、全くゼロベースから再構築するタイプ。

既存の金融知識が豊富な人ほど理解に苦しむ。そのサービスや概要を見たときにそれが何なのかを一言では表現できない。
典型例はビットコイン。

本書で扱うのはこの2.0のほう。

 

欲望とは「経済のネットワーク」

経済とはネットワークそのもので、その構成分子は人間です。

その人間を動かしているのは各々の欲求や欲望で、「経済は個人の欲求・欲望を機転に動く報酬(インセンティブ)のネットワーク」

現代社会の欲望は

  1. 本能的欲求:衣食住の欲求や、異性の興味を引きたいという欲求、家族への愛情など生物が持つ根源的な欲求。
  2. 金銭欲求:稼ぎたいという欲求。
  3. 承認欲求:社会で存在を認められたいという欲求。

の3つがあります。

経済に代表される「動的なネットワーク」には共通の特徴が2つあり、

①極端に偏る傾向があること(人気者がさらに人気者になるなど、格差が自然に発生する)

②不安定性と不確実性

 

発展する「経済システム」の5つの要素

「経済システム(生産活動をうまくまわす仕組み)」は自己発展的に拡大していく仕組みである必要がある。(特定の誰かに依存するような仕組みでは長続きしない)

よくできた企業やサービスには5つの共通点がある

①報酬が明確である(インセンティブ)

②時間によって変化する(リアルタイム)

③運と実力の両方の要素がある(不確実性)

④秩序の可視化(ヒエラルキー)

⑤交流の場がある(コミュニケーション)

①のインセンティブ、現代は生物的な欲望より社会的な欲望が目立つ。3M(儲けたい・モテたい・認められたい)が特に強く、これらを満たすシステムは急速に発展しやすい(例えばFacebookなど)

 

経済に持続性をもたらす2つの要素

①寿命

飽きがきたら別のシステムに移動してもらう。

②共同幻想

永遠に続く経済システムを作ることはできなくても、できるだけ長持ちさせることはできる。その時に重要になるのが、参加者全員が同じ思想や価値観を共有していること。

 

経済と脳の深い関係

上手く回っている経済システムには前述のように「共通の要素」がある。ポイントは、人間の脳内の快楽を司る「報酬系」と言われる神経経路。

私たち人間や動物の脳は、欲望が満たされたときに「報酬系」または「報酬回路」と言われる神経系が活性化して、ドーパミンなどの快楽物質を分泌する。人間も動物もこの快楽物質が欲しいために色々な行動に駆り立てられる。(ある意味で報酬系の奴隷のようなものである)報酬系が分泌する快楽物質には中毒性がある。

 

進化する脳が欲する「報酬」の種類

脳の報酬系は欲求が満たされたときだけではなく、報酬が「期待できる状態」でも快楽物質を分泌する。

例えば実際に好きな異性と会って話をしなくても、メッセージの通知があるだけで報酬系が刺激され快楽を感じている。

つまり、人間の脳は経験や学習によって快楽物質を分泌する対象を自由に変化できる。

LINEの通知やSNSの「いいね!」に多くの人間が快楽を感じて四六時中気になってしょうがないという状況も、100年前の人間からは考えられない。

 

第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ

第2章ではテクノロジーについて。

  • 既存のあらゆるサービスが「分散化」に向かって動いている
  • その代表的な例が「シェアリングエコノミー」(この分野で中国が一歩リードしている)
  • トークン化する世界
  • 「自律分散」が次世代の成功モデル

 

あらゆる仕組みが「分散化」する

今後10年、経済の世界において最もインパクトのある現象は「分散化」。

既存の経済・社会は「分散化」の真逆である「中央集権化」によって秩序を保ってきたので、分散化は既存の社会のシステムを根幹から覆す概念である。

スマホの普及によって、人間だけでなく、モノとモノも常時接続が当たり前になる。この状況がさらに進むとオンライン上で人、情報、モノが「直接」かつ「常に」繋がっている状態が実現される。

そうすると中央の代理人がハブとして介在する必要がなくなり、全体がバラバラに分散したネットワーク型の社会に変わっていく。

分散化が進むと、情報やモノの仲介だけでは価値を発揮できず、「独自に価値を発揮する経済システムそのものをつくれる存在」が大きな力を持つようになっていく。(下剋上、権力の逆流)

 

分散化する社会とシェアリングエコノミー

共有経済(シェアリングエコノミー)の代表例としてよくあげられるUVERとAirbnb。日本ではメルカリ。

これらのサービスのメリットは、余ったリソースを直接的に共有しあうことで、コストを大幅に削減できること。

これらのビジネスの運営者に必要なのは「主体」となってサービスや商品を提供するのではなく、「黒子」として個人をサポートしていくこと。

 

トークン化する世界

トークンはバーチャル上に存在する文字列にすぎないが、現実世界の資産と結びつけることで、あらゆるものの価値を可視化することができる。

トークンの種類は主に3つ

  1. 通貨型トークン:何かの支払いに使える決済手段としてのトークンです。日本円やドルなどと一緒で通貨とほぼ同じ役割です。そのサービス内で使えるトークンを発行し、そのユーザー間の支払いにもこのトークンを利用してもらえるようにします。このトークンを持っている人の周辺に経済圏んでき、サービスの成功とユーザーの利害が一致します。
    楽天ポイントやTポイントが想像しやすいです。
  2. 配当型トークン:特定のサービスや機能で上がった収益の一部をトークン所有者に分配ししていくよなトークンも多いです。
    ただこれは既存の株式や金融商品と近く、金融商品取引法上の規制が適用されることが増えてくるでしょう。
    配当型のトークンは明確なリターンが存在していてわkりやすい一方で、詐欺やトラブルも多発しており、各国の金融監督部門は規制を強めています。
  3. 会員権型トークン:トークンを保有している人が特別な割引や優遇を受けられる、会員権型のトークンも増えていかす。
    そのトークンを所有している間は特別な優遇を受けることができるてんが通貨型トークンとは異なります。
    こういった仕組みはアイドルのファンクラブやレストランの優遇割引、株主向け優遇、サービスのゴールド会員などです。

 

「自律分散」が次世代の成功モデル

世の中が膨大なデータで溢れたことで進んでいく「自動化」と、ネットワーク型社会に移行することで起きる「分散化」という2つの大きな流れは、今後10年で非常に重要なキーワードになる。

そして、2つが混ざったときに起こる「自律分散」というコンセプトが多くの産業やビジネスモデルを覆すことになる。インターネットやビットコインのように。

 

お金2.0 要約 第3章 価値主義とは何か?

限界を露呈し始めた資本主義。

資本主義に対する懐疑的な流れが加速している。特にリーマンショックのときに金融の世界が実体経済とあまりにかけ離れたものになってしまったと感じた人が多いのでは。

多くの人が資本主義が行きすぎたと考えるようになり、バランスを取るようにその力に畏れを感じるフェーズに入った。

 

金余り現象

私たちが生活している世界には少なくとも2つの性質の経済が混ざり合っている。

  • 消費経済(労働して給与をもらい、コンビニで買い物してお金を払うという一般的な経済)
  • 資産経済(金融経済)お金がお金を生み出す。

大半の人は「消費経済」の中で生きていて、「資産経済」をメインに生きている人は、ごく一部の資産家や金融マン。

だが、世の中に流通しているお金の9割近くは資産経済で生まれている。普通に生きている人が生活のために使っているお金の流れは実は全体の1割にも満たない。(例えば、観光客が両替する金額と、投資銀行の為替ディーラーが売買する金額は桁が違う)

消費経済に対する資産経済の割合はどんどん大きくなっていて、経済はより不安定な状態になっている。

先進国では消費経済が縮小すらし始めている。その一方で、資産経済はどんどん拡大を続けて、世界中で金融マネーは投資先を探してさまよっている。もう利回りの良い金融商品はなくなってきているため、「お金はあるけれど使う対象がない」という状況。(あくまで資産経済では)

ポイント

資産経済の割合が大きくなりなり、お金は滞留し始めている。むしろ投資先の方が枯渇している状況。
資金調達が容易な環境で、お金の価値そのものが下がり続けている。
逆に信頼や時間、個性のようなお金で買えないものの価値が相対的に上がってきているとも言える。

 

お金にはなりにくい「価値」の存在

お金にはならないけど価値のあるものが存在する。(NPOによる社会貢献活動など)

お金の重要性があまりに強調され過ぎてしまったため、財務上で資産として認識されないものが無視されてきた。

資本主義的な考えと、世の中の人が考えでの「価値あるもの」には大きな溝があり、それが多くの人に違和感を持たせている原因。

今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段だった「独占」が終わりつつあるということ。価値を保存・交換・測定する手段はお金である必要はなくなっている。

例えば人気。「他者からの注目」は貨幣換算が難しい価値。例えば貯金ゼロだけどTwitterフォロワー100万人の人は、何か事業をやりたいときにクラウドファンディングで資金を募り、フォロワーの知恵も借りられる。

 

資産とは認識されないデータの価値

ものを扱わないネット企業で、財務上の価値として認識されていない「人材」と、もうひとつに「データ」がある。

サーバ上のデータは現代の金融的考えでは価値のないものとして無視されているが、ネット企業にとってはこのデータこそが価値であり、会員データ、購買データ、広告配信データを失ったら廃業してしまう。

データこそが価値であり、お金を稼ぎだす「資産」(Facebookの最大の資産はユーザーのデータ)

現在の金融の枠組みではデータをカバーしていないので、現実的に様々な不都合が起きている。(金融が現実世界の価値を正しく認識できなくなっている)

 

資本主義から「価値主義」へ

資本主義のお金というものが現実世界の価値を正しく認識・評価できなくなっている。今後は可視化された「資本」ではなく、変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくと予想。

この流れは「資本主義(Capitalism)」ではなく「価値主義(Valualism)」である。

資本主義で大事なことは資本を最大化すること(お金を増やすこと)だったが、価値主義では、価値を最大化しておくことが最も重要になる。

あらゆる「価値」を最大化しておけば、その価値をいつでもお金に変換できるし、お金以外のものと変換することもできる。

人気YouTuberほど、お金を失うことは怖くないけど、チャンネル登録者を失うのは怖いと言う。自分の価値はファンからの「興味・関心」であり、お金はその価値の一部を変換したものにすぎない、ということを理解しているから。

 

「価値」の3分類

「価値」という言葉には色々な意味があるが、実際は3つに分類される。

①有用性としての価値

最もなじみ深い、資本主義がメインに扱う価値。一言で言えば「役に立つか?」

利用できる、儲かる、などの「リターン」を前提にした価値。

②内面的な価値

実用性とは別に、個人の内面的な感情と結びつけても価値という言葉は使われる。愛情・共感・興味・興奮・好意・信頼など。

実生活に役立つわけではないけど、その個人の内面にとってポジティブな効果を及ぼすときに「価値がある」と表現する。

③社会的な価値

慈善活動やNPOのように、個人ではなく社会全体の持続性を高めるような活動も私たちは価値があると表現する。

この3つのいずれも脳の報酬系を刺激する現象であり、脳からすると等しく「報酬」と捉えられる。

資本主義の問題点はまさに①の有用性のみを価値として、他の2つを無視してきた点にある。

例えば自社の利益のみ追及してブラックな労働環境で社員を酷使し、社会的な意味を何も見いだせないような企業には優秀な人材は寄り付かず、徐々に衰退していく。

②と③を無視しては持続できなくなりつつある。

価値主義で扱う価値とは、①有用性としての価値だけでなく、②人間の内面的な価値や、③全体の持続性を高めるような社会的な価値も、すべて価値として取り扱う仕組み。②と③は物質がなく曖昧なため、テクノロジーの活用が不可欠。

 

「評価経済」の落とし穴

内面的な価値に着目した経済の典型例が評価経済、信用経済。インフルエンサーと呼ばれる層が消費に対して大きな影響力を持ったり、メディアとしての役割を担ってきている。

資本主義経済でお金からお金を増やした金融業と同じように、評価から評価を拡散力をテコに生み出していくことが可能になる。そしてこの活動から蓄積された影響力や認知や評価といった価値は、まるでお金のように色々なものと交換できる。

一方で評価経済や信用経済に何となくネガティブな印象を持つ人も多い。その理由は、今話題になっている大半の仕組みが「評価」や「信用」ではなく、「注目」や「関心」に過ぎないから。(例:敢えて奇をてらった発言で炎上を繰り返すインフルエンサーは評価や信用を集めているわけではない)

もう一つの理由は注目や関心など特定の内面的な価値のために、共感や好意など他の内面的な価値、治安や倫理などの社会的な価値が犠牲になることがあるから。(例:過激で倫理的に問題のある動画をYouTubeに投稿し炎上で再生数を稼ぐなど)

 

ベーシックインカム普及後の「お金」

AIなどのテクノロジーが発達すると労働は価値を失い、大勢が失業する。そうなるとベーシックインカム(必要最低限の生活コストを国民全員に支給する仕組み)

先進国では必要最低限の生活ができる人が増えたために、物欲は無くなっていくし、お金以外のやりがいや意義を求める人が増えていく。

ここからさらに、ベーシックインカムによって働かなくても生きていける状態を全員が享受できるようになれば、お金の価値はさらに下がる。現在はお金には人を動かす力があるが、生活のためにお金を稼ぐ必要がなくなった人からすれば、お金はあったら便利だけど、なくてはならないものではなくなる。

そうなると、ベーシックインカム普及後の人間は、今とはまったく別の生き方をしているかもしれない。

ベーシックインカムは「お金のコモディティ化(高価値商品の市場価値が低下し、一般的な商品となること)」を急速に推し進める一手になるかもしれない。

 

経済は選ぶものへ

既存の経済と新しい経済の比較が出てくるのは避けられないが、複数の経済システムは併存し得る。

ネットが普及した世界では「どれがいちばん正しいか?」ではなく「それも正しい、正解は人によって違う」という考え方が徐々に受け入れられていくはず。

経済圏も複数に分散し、その中のサービスも管理者不在で機能する分散したネットワーク上で完結する状態は「2重の分散」と表現できる。

 

「価値主義」とは経済の民主化である

価値主義をまとめると、2つの大きな変化が混ざった1つの現象と考えられる。

①お金や経済の民主化。

これまで300年近く国家の専売特許だった通貨の発行や経済圏の形成が、新たなテクノロジーによって誰でも簡単に低コストで実現できるようになりつつある。(例えばブロックチェーン。ユーザーはスマホがあればだれでも経済圏に参加できる)

②資本にならない価値で回る経済の実現

価値の3つの分類(有用性、内面的な価値、共同体の持続性を高める社会的な価値)

今までは有用性が偏重される傾向が強かったが、これからは内面的な価値や社会的な価値を可視化して、それらも経済として成り立たせることで、資本主義の欠点を補完できる。

 

第4章 「お金」から解放される生き方へ

人生の意義を持つことが「価値」になった世代。

ミレニアル世代は欠けているものがないので、何をモチベーションに頑張ればいいか分からない。だから、かけているものはないけれど人工的に「意義」や「目的」を作りだす。人生の意義や目的は欠落・欲求不満から生まれるが、あらゆるものが満たされた世界では、「人生の意義」や「目的」こそが逆に「価値」になる。

「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ

「枠組みの中での競争」から「枠組み自体を作る競争」へ

 

第5章 加速する人類の進化

「お金」は単なる「道具」である

 

感想:ビジネス書は、耳から入ると理解が深まる

ここまで長々と「お金2.0」のダイジェスト的なまとめをしてきました。

もちろん、ぼくはこのブログを書くことで本の内容がさらに頭に定着しました。

でも、ただ流し読みするだけでも十分に理解できる分かりやすさで書かれているビジネス書です。

おそらく、編集や推敲によって読みやすい書物になっているんだと思います。

 

オーディオブックがオススメ

 

そしてさらに、紙の本や電子書籍で「読む」よりも、「耳から聴く」方が、数倍楽に読めます。

あなたも「積ん読」になったビジネス書をAudibleで耳から読んでみてはいかがですか?

移動中などに気軽に読めるのでおススメですよ。

 

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