仕事をやめて実家に帰ろうか迷っている人に向けて書いています。
もくじ
この記事で伝えたいこと
10年ほど前に、仕事をやめて実家に戻ったことがあります。当時について思いかえすと「人生の優先順位」を見直す重要な時期だったと、今となっては思います。
周囲の視線などの心理的な抵抗はありましたが、重要な正しい決断をすることができました。
むしろ、あのまま踏ん張り続けたらどうなっていたかと考えると、そっちの方が恐ろしいくらいです。
この記事で伝えたいのは、以下のようなことです。
- 実家に帰るのは恥ずかしいことではない
- 実家に帰りたいのに帰れないなら、自分で分析してみよう
- 「人生の優先順位」を考え直す絶好の機会になる
- 帰ると決めたら行動しよう
書いている人
書いているぼく自身も、ブラック企業から抜け出すために会社をやめて実家に帰った経験があります。
1年以上暮らし、時間的・金銭的な余裕ができたおかげで、転職先をじっくり選ぶことができました。その結果、条件の良い会社に再就職して人生が好転しました。
仕事をやめて「もう人生終わったかな」と思ったこともありましたが、今ではあのときに思い切って行動してよかったと思っています。
実家に帰れない(帰りたくない)理由
今の会社、超ブラック。 はやく辞めたい…
早く転職活動したいけど、毎日残業で疲れ果てて動けない…
そんな人いませんか?(ぼくはそうでした)
「いったん実家に戻る」という選択肢を考えてはいかかでしょうか。
親に心配をかけたくない、周囲の視線が気になる。その気持ちも分かりますが、人生はこの先も長いです。より良く生きるため「一時的に出戻って態勢を立て直す」はアリな選択肢だと思います。
仕事をやめて実家に帰りたいけど、帰れない理由がある人もいるでしょう。
理由は大きく2つに別けられると思います。
- 物理的な理由・・・遠い、実家が狭く自分の部屋がない、など
- 心理的な理由・・・恥ずかしい、周囲の目線が気になる、敗北感、など
それぞれの場合を考えてみます。
物理的な問題
実家に帰りたいけど帰れない理由が、物理的な場合には以下のようなケースが考えられます。
実家が遠い
距離的な問題は大きいでしょう。たとえば北海道や九州に実家がある人が就職で東京に出てきた場合は、簡単に帰ることができません。
その場合には周到な準備が必要になります。
実家が狭い
実家が狭くて、もし仕事をやめて帰っても自分の部屋がないなど、居場所がないケース。
同居ができない場合でも、近くに暮らして、ご飯だけ作ってもらう、などのサポートを受けることは可能です。
親がいない、もしくは病気
そもそも親がいなくて実家がない場合や処分した場合もあります。
あるいは、実家はあるけど住んでいた親が病気で入院するなどして、誰も住んでいないケースもあります。
この場合には、実家に帰るという選択肢はなくなります。
親との関係が悪い
親は健在で、部屋もあるけど、自分との関係が悪いケースもあります。
そのままの状態では、帰っても苦労することになるでしょう。
このような場合は、関係の改善を試みたり、とりあえず一度会って話してみるのがいいでしょう。
戻らないにしても、修復できる余地があれば早いうちに話し合うのがいいと思います(個人的な意見です)
精神的な理由
実家に「帰りたくない」という場合もあります。
100%本心から帰りたくないと思っているなら問題ありません。しかし「帰りたいけど帰れない」という場合には何かしら障害があることがあります。
- 親に心配をかけたくない
- 近所の視線が気になる
- 地元の友だちに顔を合わせにくい
- 敗北感を味わいたくない
いろんなケースがありますが、心理的な障壁から「帰りたい」のに帰れない(帰りたくない)場合は、ぼくとしては
早めに解決して帰れたらいいんじゃないかと思います。それが難しい場合があることは承知ですが、考え直してみる価値はじゅうぶんにあります。
人生の優先順位を確認
仕事をやめて実家に帰りたいけど、帰れない。
一部の物理的な理由(親との関係が悪い)を除けば、多くが「精神的な障壁」が理由となっている場合がほとんどだと思われます。
もちろん、仕事をやめても実家に帰らなくていいし、そもそも今の会社をやめるかどうかも決めていないこともあるでしょう。
ですので、ここでは視点を変えてみたいと思います。
自分の「人生の優先順位」を再確認してみてはいかがでしょうか。
- 自分が人生に何を求めていて、何を求めていないのか
- 仕事や収入の優先度合い
- お金と時間、どちらが大事か
- 今のまま続けていて、将来は見えるか
これらのことを考え直してみることは、仕事をやめるかどうかや実家にもどるかと関係なく、再確認することには意味があります。
「人生の優先順位」を再確認すると、おのずとこれから進むべき方向が見えてくるかもしれません。
ブラック企業という「ハズレくじ」を引いてしまって、心身ともに毎日消耗しているのは不運だったとしか言いようがありません。
でも、「運が悪かった」とあきらめてしまっては次に進めないのも事実です。考え方を変えて、「自分の人生の優先順位を確かめるために必要な脇道だった」と前向きに捉えてみてはどうでしょうか。
このまま踏ん張ることに意味はあるか
ひとつの考え方として、「今いる場所でこのまま踏ん張ってみる」ことの価値を考えてみるのは有効です。
仕事をやめたくなっているのが一時的な気持ちの問題であるなら、時間が経てば解決することもあるでしょう。
あるいは、今はがんばって残ったとしても、結局それほど明るい将来はみえないといったこともあるかもしれません。その場合はやめても問題がないことがわかるでしょう。
他に働き口がないかもしれない、というのは今の日本の状況では考えにくいことです。多くの業会で人手不足と言われていますので、条件さえ緩くできれば、働ける場所がない、ということはないと思います。
「選択が間違っていた可能性」を謙虚に考え直す
今の職場が自分には向いていなかった、という可能性もあります。
厳しいようですが、その場合は「選択が間違っていた」と割り切ることも肝心です。とはいえ適正はやってみないと判明しないことも多いので、落ち込む必要はありません。かけがえのない経験を積むことができたと考えましょう。
お金、時間、やりがい、人間関係、どれが最重要?
あなたにとって「人生でもっとも優先順位が高いもの」はなんですか?
お金?
時間?
それは今の職場やライフスタイルで、満たされていますか?
管理人の場合は、仕事に明け暮れて高い収入を得るよりも、お金は少なくても自由な時間が多い生活のほうが充実感が高いことがわかりました。なので今はその価値観にで行動しています。
実家に帰ることの何が不安か
今仕事や生活が自分には向いていなくて、立て直すためには一度離脱することが必要とわかったとします。
でも、やっぱり今さら実家に帰ることに不安を感じる人もいると思います。
戻ったらどうなるか。メリットやデメリットも考えてみましょう
メリット
実家に帰ることのメリットから考えてみます
生活費が減らせる
実家で暮らすことの最大のメリットは「生活費が不要」なことです。
打算的に感じられるかもしれませんが、これ以上のメリットはないでしょう。多少いくらか入れる(親に生活費として払う)お金が発生したとしても、都会で一人暮らしをするのと比べたら、生活費ははるかに下がります。
家事負担が減る
食事を作ったり、洗濯や掃除といった家事負担が減ることも大きなメリットです。
もちろん自分の親とはいえ、子ども時代のように何もかも世話してもらう、というのはよくありません。しかし、食事や洗濯はどうせ発生する家事なので、一人増えたところでそれほど負担は変わりません。
たまに自分が担当して負担を軽減してあげるといいでしょう。
友人がいる
地元に戻ることで、友人や知り合いと会いやすくなります。
仲のいい友だちが近くに住んでいると、休日に会ったり食事をすることもしやすくなるので、交友関係は変わるでしょう。
デメリット
続いて、実家に帰ることのデメリットについても考えてみます。
周囲の視線
就職して都会に出ていったのに、失敗して戻ってきたと思う人がいるかもしれません。そしてそれは、あなたのプライドを木津つけるかもしれません。
しかし、考えてみると大したことではないことがわかるはずです。いつまでも実家にいるわけではないし、一時的な滞在です。周囲のノイズに惑わされることなく、自分のペースで行動することを心がけましょう。
一人暮らしの気楽さはなくなる
実家に帰って親と同居になると、当然ですが一人暮らしではなくなります。
そのため一人暮らしの気ままな気楽さはなります。
親との関係
親との関係が良好ではない場合は、実家に戻っても気が休まることがないかもしれません。
こちらの状況を詮索してきたり、ことあるごとに干渉してくるような場合は、却ってストレスになることも考えられます。
その場合は、とりあえず「家賃のかからない旅館」くらいに捉えて、早めに体勢を立て直して出ていくのがいいでしょう。
会社をやめて実家に帰る、何歳までならOK?
「会社をやめて実家に帰る」ことを考えたとき、特に年齢は気になる問題でしょう。
何歳までだったら実家に戻っても大丈夫かと疑問に思う人もいるかもしれません。
もちろん、人によって事情は違うので、一概に「何歳までならOK」ということはできません。
しかし、「何歳だろうと大丈夫」と考えます。
なぜなら、帰る実家がある(受け入れてくれる親がいる)限りは、いつでも戻ることができるからです。
転職や再就職する場合でも、何歳だから遅すぎるということはありません。
するべきこと:会社をやめて帰ると決めたら、すぐ行動する
会社をやめるのも、実家に帰るのも、何歳だろうと遅くはないと書きました。
しかし、やはり早いに越したことはありません。
決めたら、すぐ行動することが大事です。
- 引越し業者の選定
- 転職活動
- 役所の手続き
これらの具体的な行動を始めましょう。
転職活動するには心の余裕が必要
最も大事にしたいのが「自分の時間」で、その生き方において今の会社がふさわしくないと思うのなら、早めに動き出した方がいいと思います。
具体的には転職サイトに登録したり、就職情報誌を読んでみたりすると思います。
例えば大手のリクルートエージェントは、地方の求人も多数取り扱っています。
本当に大変ですね。
何度も言いますが、転職したいのに動けないのは「怠け」のせいではありません。
平日に深夜まで仕事して疲弊していたら、余暇時間を休息にあてたいというのは人間として当然のことです。
転職活動するくらいの「余裕」も会社に吸い取られている、ということです。
転職活動をするには、お金も必要
当たり前の話ですが、1人暮らしはお金がかかります。
最低限かかる費用
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 通信費
これら必要最低限の生活費に加えて会社員をしていると、人づきあいの交際費やストレス発散のための遊興費も必要になってきます。
つまり、生きているだけで結構な額のお金が出ていきます。
という人も多いと思います。
しかし、貯金がないとなると、仕事を辞めることができません。
たとえ、一ヶ月の生活費ぶんくらいの貯金があったとしても、それでは心もとないです。
仕事を辞めてから転職活動をするためには、半年分くらいの生活費を賄えるくらいの貯蓄がほしいところです。
そこで、本題の「実家に戻る」です。
親が健在で、ある程度経済的な余裕のある生活をしているなら、ぜひこの選択肢を検討してみてください。
まとめ:会社をやめて実家に帰ることは恥ずかしくない
人によっていろんな事情があります。
と思う人も多いと思います。
でも(大抵の)親は、子どもが家に戻ってくることを嬉しく感じてくれます。
たとえ「ブラック企業からの一時離脱」だったとしても。
むしろ、辛い状況にある子どもを受け入れるのは、親にとっては嬉しい機会かもしれません。
(居候期間があまり長く続くと迷惑かもしれませんけど)
おわりに
この記事は、ぼくがブログをはじめたころ(2年目くらい)に書いたものです。
最初の内容は、自分語り(ぼくはこう思ってこのように行動した)というテイストが強かったので、何回も書き直しました。
現在の形に書き直したのは2023年11月です。
ブログ記事というよりも、「会社をやめて実家に帰った経験者からのメッセージ」みたいになってしまいました。
しかし、
当時の自分に伝えるつもりで書きました。どなたかの参考になれば嬉しいです。
もし、今あなたが長時間拘束の過酷な労働環境の会社で働いていて、転職したいけど、疲れ切って行動できない状態なら、「実家に帰って態勢を立て直す」という選択肢も考えてみてください。
実家に住む最大のメリットは、生活費が(ほとんど)かからないことです。無一文状態だとしても、何とかなるのです。
もちろん、親には負担をかけることになります。大人になって親に頼ることは、プライド的に苦痛だと感じる人もいるでしょう。
でも、今の状況がジリ貧と思うのなら、動いた方がいいと思います。
そして、動くなら早い方がいいです。まだぜんぜん間に合います。
それでは、幸運を祈ります。
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「実家へ帰る系」のマンガ
「凪のお暇」というマンガが面白かったので、最後に紹介させてください。
会社員を無理して続けていたら体調をくずして、無職からやり直すというのが大筋。
最初は恋愛ものなのですが、途中から実家や母親が濃ゆ〜く絡んできます。
今なら1巻と2巻が無料みたいです。(2021年2月現在)
宇宙兄弟
実写映画化もされた人気漫画『宇宙兄弟』の兄弟にも実家に戻るシーンがあります。
第1話では、主人公の”ムッタ”が会社を辞め(リストラ)、電車に乗って実家に帰る場面が描かれています。物語の最初は「実家から始まる」のです。
母親が喜んだのは最初の数日で、すぐに扱いが雑になる(デザートの苺が自分だけ少ない)など、リアルな描写がちょっと笑えます。
この話は「会社をやめて実家に帰る」ことで主人公ムッタの人生が変わっていく過程を描いたドラマと見ることも可能です。