記事の内容
- 「アレクサ盗聴」というニュースについて思ったこと
- 録音データの利用を拒否する方法
>>>「会話データの使用拒否の設定方法」を先に読みたい方は、こちらからジャンプできます。
音楽を再生したり、ニュースを読んでくれたり、家電の操作などを声だけで操作できる便利なスマートスピーカー。価格が手ごろになってきたこともあり、導入する人が増えています。
もくじ
スマートスピーカーが会話を録音?
ある日のニュース。
ユーザーがアレクサに話しかけた内容がAmazon社に送信され、データは秘密チームによってタグ付けされている、という記事がGIGAZINEから出ました。
ネタ元はアメリカのニュースサイト「Bloomberg」なので、信憑性は高いと思って良さそうです。
記事によると、録音された会話データはAmazonのデータセンターに送られて「人力で」解析されているとのことです。
報道を受けてAmazon側は「音声認識機能を強化するためにやっている」と説明しました。
これは、考えてみれば当然のことです。
ぼくらがアレクサに話しかけた質問や要求は、いったん録音されてからクラウド上に送信されますよね。(録音せずに送信するのは不可能です)
それに対してリアクション(音楽をかけたりニュースを読んだり)されてるわけです。
他にこんな記事も。
AmazonのスマートスピーカーEchoシリーズは、呼びかけをきっかけに会話を録音し、Amazonのサーバーへと送信。人間の発話に対するAlexaの理解のギャップを埋めるため、人員がフィードバックしているとのこと。Alexaのトレーニングを人間が行っているという…
みなさんがアレクサに喋ると、裏方で人力解析されています。 – すまほん!!
利用規約に書いてある?
会話データが利用されていたと聞いて、あなたはどう思いますか?
集められる限りのデータ集めて消費者の行動を分析・予想し、サービス向上や次のサービスのアイデアにつなげようとするのは、グローバルな営利企業としては自然な姿勢なのでしょうか。
サービス登録時の利用規約ってありますよね。 あれって、ほとんどの人がロクに読まずにチェックを入れていると思われます。(ぼくも読んでませんでした・・・)
改めて読んでみると、こんな項目がありました。
1.3 Alexaインタラクション
お客様は、お客様の音声でAlexaをコントロールします。Alexaは、お客様がAlexaと対話する際に音声信号をクラウドに送信します。アマゾンは、アマゾンのサービスを提供し、それを改善するために、お客様の音声入力、音楽プレイリストならびにお客様のやることリストおよび買い物リスト等、お客様のAlexaインタラクションをクラウド上で処理および保存します。
Alexa利用規約
つまり、「アレクサに話しかけた内容はデフォルトでクラウドに保存しますよ」ということをぼくらは許可していたわけですね。(知らないうちかもしれませんが)
普段の会話は?
2. Alexaは私のすべての会話を録音していますか?
いいえ。Echoシリーズ端末はお客様が選択したウェイクワード(「アレクサ」、「アマゾン」、「コンピュータ」または「エコー」)のみを検出するよう設計されています。端末はウェイクワードと一致する音声パターンを特定することによりウェイクワードを検出します。端末がウェイクワードを検出しない限り(またはボタンを押してAlexaが起動されない限り)音声は保存されることもクラウドに送信されることもありません。
"ウェイクワード" とは、アレクサを起動させる言葉で、初期設定なら『アレクサ』。
Echoが "ウェイクワード" を検出した場合のみ、会話が送信される仕組みになっているんですね。
全部録音してたらサーバーが足りなそうですね(そういう問題じゃないけど)
録音した会話が勝手に送信されたケースも!
アメリカでは、こんなトラブルも発生しています。
自宅の全室にechoを置いていたダニエルさん。夫の部下から電話があり「あなたの家庭の会話が自分のスマートフォンに送信されてきた」 というのです。
原因は、登録された相手にメッセージを送信する機能(日本では未搭載)の誤作動。
でも、勝手に会話が送信されるなんて怖いですね。
「会話データの利用」は設定で解除することが可能!
録音されたデータをAmazonに”利用”されるのは、設定から解除(拒否)することができます。
設定から「データの使用」を解除してみます。
設定の方法
まず、Alexa プライバシーを開きます。
トップから辿っていく場合は、メニュー「アカウント&リスト」から。
コンテンツと端末の管理から「Alexaプライバシー」の設定ができます。
いちばん右側の「 機能向上のためのAlexaデータ管理 」 をクリック。
次の画面で、2つのスイッチが出てきます。
「新機能の開発に貢献する」と「テキスト表示の改善にメッセージを利用する」
この二つをオフにします
音声データの利用は上のスイッチ「新機能の開発に貢献」だと思われます。
上だけオフにするでも良さそうですが、「メッセージを利用する」もオフにしました。
録音自体を拒否することはできない?
実はそうなんです。
つまり、ユーザー側で選べるのは「録音された会話データをAmazon社が(サービス向上のために)使用させない」ことだけで、会話の録音自体を拒否する選択肢は、用意されていないのです。
他のスマートスピーカーでも録音してる?
Amazon Echo以外のスマートスピーカーでも会話の録音はされています。
Appleのスマートスピーカー「Siri(シリ)」でも同じような解析は行われているそうです。録音されているのは同じです。
【車でアレクサ】スマートスピーカーを車載する方法と「Echo Auto」にできること
続きを見る
追記:アレクサの録音が消去可能になるらしい
2019年5月29日、Amazonから「録音を消去できる機能を追加する」と発表がありました。
参照記事
「アレクサ、今日言ったことをすべて削除して」で削除されるとのこと。
さて、この後どうなるのでしょうか?
2019.7.10 さらに追記
また新しいニュースが入ってきました。
「アレクサ、昨日言ったことをすべて消去して」とデータを消すように頼んでも、残ってしまうデータがあると、Amazon社からのコメントが発表されました。
どんなデータがいつまで残るのかなどは不明です。
おわります。
別サイトで、Amazonデバイス関連の記事をいくつか書いていますので、ご興味のある方はどうぞ読んでみてください。
アレクサ最高級モデル